概要

経頭蓋直流電気刺激法(transcranial Direct Current Stimulation:tDCS)とは、頭蓋の外から微弱な直流電流を与えるneuromodulation法のひとつです。非侵襲的に大脳皮質細胞を刺激することが可能であり、刺激部位により様々な効果が得られることが知られています。近年ではその効果についての研究が多くなされており、精神科臨床においては不安感や抑うつ気分の軽減や、脳梗塞後遺症の改善を促進するとも言われています。

医学研究以外の分野でもtDCSの効果は注目されており、2019年3月にはテレビ放送にて「計算が速くなる」「運動能力が向上する」というような取り上げられ方をしました。ただ、その効果は未知であり、どの程度の刺激によって効果が得られるのかも確立した見解はありません。ECTやTMSと異なり簡易的な装置であり、一人で使用することも可能であり、今後の研究次第では治療以外にも多くの人に用いられる装置になっていくと思われます。それ故に研究しがいのある分野であると考えられます。

研究内容

tDCSが健常者の脳機能に与える影響を研究しています。健常者を対象として機能的MRIで脳の賦活の程度を評価し、認知機能検査で行動面の評価をしていきます。